子どもに定期的な嘔吐が続くなら「自家中毒」・「ケトン体(アセトン)血性嘔吐症」の可能性

子どもが強烈な吐き気や常に一定の吐瀉物を何度も繰り返しているようでしたら、自家中毒・ケトン体(アセトン)血性嘔吐症を疑ったほうがいいでしょう。

 

この症状は主に風邪に近いものがあり、ぐったりとやる気や意欲というものが失われ、大抵の場合強い吐き気、あるいは嘔吐を引き起こす症状です。自家中毒・ケトン体(アセトン)血性嘔吐症、どちらも同じ症状に対して使われる病名です。

 

多くの親御さんは、この症状を見て自分の子どもは風邪を引くと胃や腸が悪くなるのか、などと判断することがありますが、実際には風邪とはほぼ関係なく、ストレスなどの心的要因や外的要因が作用することによる身体の拒否反応に近いものです。

 

詳しい原因については実はまだわかっていないものの、ウィルス性の病気とは全く関係なく、暫くすると体調も回復してきてまたいつも通りの生活をすることが出来る症状です。

 

主に頻発するのは小学生ぐらいまでで、これ以上の年齢で発症することは少ないです。ちなみに偏頭痛との関係も近年は指摘されていて、大人になると同じストレスを受けても自家中毒・ケトン体(アセトン)血性嘔吐症としての症状ではなく、偏頭痛として症状が現れるのではないかと言われています。

 

 

自家中毒・ケトン体(アセトン)血性嘔吐症の対処法

 

これは病気というよりもストレスや何らかの外的要因に対する「反応」という側面が強く、一時的に症状の回復は点滴などで出来るものの、再発防止に関してはストレスの原因や「反応」の起こる外的要因を取り除かない限りは繰り返し問題になってしまいます。

 

ストレスの除去と言っても、子どもの場合は人間関係が起因すると言うよりも、子ども本人の性格が外部のストレス要因と合わないという問題のほうが大きく、環境等を変えても違う形で似たようなストレスを受けると再発してしまいます。

基本は自律神経に関わる問題なので、過度にこの症状を無くそうと親側が奔走すると、それ自体が子どものストレスになったり親御さん自身にもストレスが溜まりやすいので、無理に問題を解決しようとしないほうがいいでしょう。

 

年齢を経れば自然と症状も緩和してくる性質の症状であるため、具体的な対処法としては点滴を病院で受けたり、症状が軽いならば効果のある栄養剤などを探しておくのがいいでしょう。

 

以下に自家中毒・ケトン体(アセトン)血性嘔吐症の体験談があるので参考にしてみてください。

 

うちの子供は小学校2年生ぐらいまで、風邪のような症状(微熱・セキ・ハナミズなど)が出始めると すぐに腹痛を訴えゲーゲーと嘔吐が止まらなくなってしまい、最後のほうは吐く内容物もなくなって コーヒーかすのような胃液を吐く…の繰り返しをしていました。

 

嘔吐物はリンゴの腐ったような においがします。子

供が吐くときには水を飲ませて脱水症状を防ぎましょうと家庭の医学的な本には 書いているものですがうちの子は水を飲んでも飲んだ分全部吐いているような状態でした。 風邪本来の症状に比べて具合の悪さが強いのも特徴でした。

 

病院を受診すると毎回『おなかの風邪ですね』と言われて、胃腸薬とあわせて脱水症状が強いので 点滴をするのですが、不思議なことに点滴をするとさっきまでの具合の悪さはどこへやら、元気いっぱい になり、おなかの風邪だったはずなのに食欲も復活して腹痛や吐き気もなくなってしまうんです。

これって本当におなかの風邪なのかしら…と子供が嘔吐するたびに(当時は月に1回ほどでした) 感じてはいたのですが、あるときかかりつけの病院の先生が不在で、他の病院の先生が変わりに 診察をしてくださったときに、『この子、おなかの風邪じゃなくていわゆる自家中毒だと思うよ。 身体も小さいし、軽い風邪でも体全体のバランスを崩してしまうんだよ』 自家中毒とはケトン体(アセトン)血性嘔吐症とも言われていて、体内のバランスが崩れて アセトンが異常発生し腹痛&嘔吐の症状がでるのだそう。

 

子供の場合、点滴をすれば即改善することが これまでの経験でわかっていたので、自家中毒と指摘されてからは嘔吐の症状が出始めたら 自宅で様子見をせずに。すぐに病院で点滴を受けるようにしました。 子供も『吐きそう、点滴して』と自分で状態を理解できるようになったので、それからは 親子ともにむしろラクになりましたね。ちなみにこの症状は4年生でぴたりとなくなりました。

 

このように症状がひどくても点滴などの処置で状態が良くなることも多数あるため、症状が見られたら一度病院で処置をしてもらうようにしましょう。

 

問題の解決は中々難しい自律神経系の症状ですが、予防方法としては親と子の間に悩みを打ち明けられる関係を築くのが今後のためにも役立つ予防方法です。

子どものストレスの原因は多種多様ありますが、主に不安感や承認欲求(甘えたい、褒められたい、我慢したくない)というものが根源的には存在しているため、こうした問題を和らげるためにも親子間の関係性は不安や不満な状態であることを告白できるようにしておくのが良いでしょう。

 

あとの予防策としては自律神経を正常に戻すということで、夜更かしなどをさせず、食事からの栄養も偏らないようにするのが地道ですが必要なことの1つです。