子どもの意識が無くなり痙攣しだした・・・熱性痙攣に慌てないための知識

 

子どもの意識がなくなり白目を向いて手足を震えさせ痙攣しだした・・・。こんな光景を目にしたらまず冷静な対応は出来ないでしょう。返事にも反応しないような状態ですから症状の確認をすることも出来ませんから、大きな不安にさいなまれることでしょう。

 

こうした意識がなくなるほどの痙攣で子どもに起きるものは、「熱性痙攣」という症状であることが大半なのですが、症状の見た目が強烈故に非常に心配になる症状かと思います。

 

自分の子どもがこうした意識不明で痙攣を起こす症状を見せたら、まず冷静に対処出来る方は少ないと思います。大きく取り乱すことでしょうし、救急車を呼んでもそれが来るまで不安で不安で仕方ないと思います。

 

時々親御さんでこの熱性痙攣の症状を目にした時に、とても取り乱してしまって冷静な対応が出来ないという場合があります。少しでも良い対応をするためには、こうした症状を目にしても冷静に対応出来るような知識が必要です。そこで今回は慌てずに冷静な対処をするためにも、熱性痙攣というものがどういうものなのかを紹介しようと思います。

 

熱性痙攣の症状

 

熱性痙攣というのはその名の通り、高熱と共に発作症状が起きる疾患です。

 

発作が起きる場合には大体意識が無くなってしまいます。なので風邪の症状のように悪寒がして震えたり発作が起きるのとは疾患の内容が違います。

 

原因は解明されておらず、6歳未満の子どもに主に起きる症状です。未発達な脳の神経や電気信号が誤って伝達されることで、痙攣症状が起きるのではないかとされていますが、それもまだ有力な説の域を脱していない、原因がはっきりしない症状です。

 

特に1歳~2歳後期までによく見られる症状です。6ヶ月未満、6歳以上で起きた場合には熱性痙攣ではない時に更に深刻な症状の可能性があります。

 

継続時間が2分から10分ほどの単純型熱性痙攣と、10分以上や1日の内に2度以上起きる複雑型熱性痙攣という2種類あり、この内複雑型熱性痙攣は今後てんかん症への発展などが可能性として存在するため、厄介になってきます。

 

熱性痙攣への対処

 

熱性痙攣の症状が出ると多くの親御さんは慌てて取り乱してしまいますが、知識をもって冷静な対処を心がけるようにしましょう。

 

熱性痙攣にはチアノーゼや意識不明のような状態に陥いる症状がありますが、まずは冷静になることが大事です。意識がない状態で痙攣するため、おかしな格好になって呼吸を妨げるような形になることがあるので、首回りを楽にさせて呼吸が出来るようにして、嘔吐や唾液などの吐瀉物を口や鼻から取り除くようにしましょう。

 

そして余裕があれば体温の確認と、どういった症状があるのか具体的に観測しておきましょう。抱っこして強く揺すって意識を戻そうなどという強い刺激は厳禁です。

 

そして以下の場合には救急車を即座に呼んで、医師による専門的な見地をあおぎましょう。

 

  • 初めて症状が出た場合
  • 部分的に強い痙攣症状がある場合・左右で全く違う箇所に痙攣を起こしている場合
  • 10分以上続いた場合
  • 短期間・1日の内に複数回症状が出た場合
  • 痙攣を起こす前に気分が悪いなどの症状があった場合

 

熱性痙攣は100人中8人ほどと約10人に1人が疾患するそれほど珍しい症状ではありません。ですがだからといって簡単に見てもいい疾患ではないため、上記の状態が表れているようでしたらすぐにかかりつけの医師に診てもらうようにしましょう。

 

およそ半数は再発の可能性がありますが、3度めの再発になると途端に減って全体の1割ほどになります。

 

熱性痙攣の体験談

 

熱性痙攣に関する体験談もありますので、1つ参考にしてみるといいでしょう。

1歳を過ぎた頃に風邪を引いて熱を出し、連休前の夕方だったためかかりつけの小児科に確認をしたら先生に診せておいた方が良いとのことで病院に向かっている途中でのことでした。

チャイルドシートに乗せていた子供が急に力が抜けたように白目をむき、唇は真っ青に。体が痙攣しだしました。 この時は、慌てたけれどすぐにチャイルドシートからおろし、抱っこしたまま小児科へと行きました 時間にして1分くらいでした。

これが1度目の痙攣で、2度目もやはり風邪をひいて熱を出していました。2歳10ヶ月の時でした。

1度目の痙攣のことがあるので、なるべく子供だけにしないように、そばについていました。 眠たいと言って寝ていたので安心していましたが、急にブクブクと変な音を出しだしたのでのぞいてみると、寝返りをしてうつ伏せになった状態で痙攣を起こしていたので、吐いたものが氷枕に出ていて危うく窒息しそうになっていました。

窒息しないように、すぐに抱き抱えて名前を呼びましたが意識が朦朧としていて返事はしませんでした。 2度目だったので少しは落ち着いて対処できたと思いますが、すぐにかかりつけの小児科に電話して指示を仰ぎました。

痙攣していた時間は2、3分でしたがとてもとても長く感じました。 2度とも、痙攣が治まってからすぐにかかりつけの小児科に行ったこと、以前市の子育てセンターで救急の講習を受けていたことも功を奏したのだと思います。

2度経験していることから、2度目以降は37.5度以上になったら常備している痙攣止めの座薬を入れるように指示されています。

1度の熱で2度までは使える、とのことですが、だいたい夜中に1度目を入れることが多いので翌朝には一度小児科を受診するようにしています。 子供はもともと大人よりも平熱が高いので、37.5度なんてすぐのように感じますが、熱っぽいなと感じたらすぐに熱の上がり方には十分に注意するようにしています。

痙攣止めの座薬を入れてから30分後に38度以上あれば熱冷ましの座薬を入れるので、それでだいたい落ち着いてはくれますが、風邪を引き始めると気が抜けません。

熱性痙攣については、予め知識として持っておけば、いざ子どもにその症状が出た時にでも冷静に対処することが可能になるでしょう。