子どもの熱が酷い、下がりにくい時は「マイコプラズマ肺炎」を疑うべき

子どもは幼児期から年少期にかけて、とにかくちょっとしたことで熱を出したり体調を崩したりしてしまいがちです。

 

ある程度子育てに慣れてくると、こうしたちょっと熱が高くなったりするぐらいでは親として動じなくなることもあるかと思いますが、そういう態度はたかが熱と言ってもとらないほうが良いでしょう。

 

幼少期の発熱症状の中には、しっかり治療しないと感知しないタイプの発熱があり、放置してしまうとその他の病気との合併症が起きやすくなったり、脳や身体の一部にダメージを与えて障害が残ってしまう可能性もあります。

 

今回はこうした熱の症状の中から、特に幼少期にかかりやすく小児科でも正確な診断がされずにちゃんと完治しなかったり、症状が悪化しやすい病気として「マイコプラズマ肺炎」についてをまとめてみたいと思います。

 

 

マイコプラズマ肺炎はわかりにくい

マイコプラズマ肺炎が普通の風邪や熱の症状と違うのは、前例を知っていたりする詳しい先生じゃないと診断が出来ないところです。症状としては熱風邪に近いもので、血液検査などには異常が出ないため、マイコプラズマ肺炎という判断を出しにくくなっています。

 

正確な診断は症状が完治した後にマイコプラズマ肺炎の抗体が出来ていればマイコプラズマ肺炎だった、という形で診断されることになります。

 

最近では症状初期から判定できるLAMP法というのもあり、こちらなら症状にかかっている時にでも判定は出来るのですが、お医者さんのほうに知識やマイコプラズマ肺炎の認識がないと、この方法で検査すること自体にたどり着きません。

 

咳の症状も出ている場合には、レントゲン写真から何らかの肺炎ということでマイコプラズマ肺炎だと判断されなくても適切な処置をしてもらえますが、熱中心の症状だとマイコプラズマ肺炎には適さない処置がされ続け、回復が遅くなって最悪の場合は別の病気が弱った身体に効いてきます。

 

マイコプラズマ肺炎の体験談

 

いくつか実際に育児中にマイコプラズマ肺炎を経験した方々の体験談がありますので、情報として参考にしてもらえればと思います。

 

当時2歳半の娘が日曜日から39℃台の熱を出し、月曜日に小児科へ行きました。

熱を出す前日までは元気でピンピンしており、鼻水や咳と言った症状もありませんでした。 熱も急に上がった感じでした。

病院では流行りの風邪と診断されて、シロップの薬と熱さましの座薬をもらいました。

薬は3日分処方されて、3日薬を飲みましたが熱が下がらなかったため、水曜日に再度同じ小児科へ行きました。 娘が熱を出す1、2週間ほど前に家族でマイコプラズマ肺炎になった人がいたので、その疑いを医師に聞きました。

しかし「小さい子供はマイコプラズマ肺炎には感染しない」と言われ、薬の内容を変えてもらって家に帰りました。 診断はあくまでも流行り風邪でした。家では高熱の割に娘は元気で、ただ食欲はいつもに比べありませんでした。

高熱が続くので座薬をさしていましたが、座薬をさしても熱が38℃台から下がらず、座薬が切れると39℃台の熱に戻り、見ていて本当にかわいそうでした。

 

そして金曜日に再度小児科へ行き、その時初めてレントゲン検査をして肺炎と診断されました。 そして、「紹介状を書くのですぐに市民病院へ行ってください」と医師に言われ、市民病院へ行くなり即入院となりました。

市民病院の医師にも家族がマイコプラズマ肺炎にかかっていた旨を説明し、マイコプラズマ肺炎用の点滴をしてもらうと熱もやっと37℃台まで下がるようになりました。

その後は日に日に熱も下がり、食欲も少しずつ出てきて元気になりました。 結局1週間病院に入院して、その間ずっと点滴をつけていました。

点滴の成分は抗生剤と脱水症状防止と必要最低限の栄養分の補給でした。

 

結局入院先の病院ではマイコプラズマ肺炎と診断が出ました。

この一件を通して、自分が少しでもあやしいと思った段階で、病院を変えて別の医師に診察してもらることが必要と実感しました。 もっと早く娘のレントゲンを撮っていたら、肺炎も悪化せずにすんだかもしれません。そのことを肝に銘じています。

 

6歳の子供が咳をするようになったので、風邪を引いたのかなと思い近くの病院に連れて行きました。

 

そのときは風邪との診断だったので、咳の薬をもらって帰宅しました。

その日は比較的元気だったのですが、翌日から、38度5分位の熱が出始めて、咳もどんどんひどくなってきました。

咳も痰が絡む咳では無くて、コンコンと乾いた咳がしつこくでて、咳き込むとかなりしんどそうな様子でしたし、夜寝ていても咳き込んでしまって寝られないようになってきました。

 

熱も下がらなくて体力的にもつらそうでしたし、 食欲もあまり無く食事も食べられなくなってきたので、もう一度病院に行くと、レントゲンを撮りましょうと言われて撮りました。

レントゲンを見ると肺に白くうっすらとしたものが写っていました。 診断はマイコプラズマ肺炎でした。

 

マイコプラズマ肺炎はとにかく咳がひどくなるらしく、熱も下がらないし、食事も食べられないので、入院したほうが良いと言われたので、入院しました。

入院中は点滴と一日4回の吸入と飲み薬でした。 点滴と吸入が効果があったらしく、2日目には熱もさがって食欲も出てきました。 咳の方はかなりしつこくて最後まで残りましたが、4日で退院出来ました。

 

このように初診では中々マイコプラズマ肺炎ということをお医者さんも見当がつかず、普通の熱風邪のような対処をしてしまいがちです。

マイコプラズマ肺炎自体はそれほど怖い病気ではないものの、体力を低下させもっと重症な合併症を併発しやすいということで注意が本当に必要な病気です。

 

熱を出して子どもを病院へ連れて行く際には、このマイコプラズマ肺炎という可能性も考えて、その診断をお願いする旨を伝えておくと、万が一の事態に対処できるかと思われます。